休館等のお知らせ

更新情報

 

1 日時及び場所

平成23年7月20日(水曜日) 午後1時30分から午後3時30分まで
宮城県図書館 2階ホール養賢堂

2 出席者

鵜飼 信好 委員(副会長)
小川 きょう子 委員
齋藤 俊子 委員
千葉 和江 委員
横田 隆雄 委員

3 事務局出席者の職氏名


(教育庁関係)
生涯学習課長 西村 晃一 (以下,西村課長)
生涯学習課長補佐(班長) 菊地 武彦 
(図書館関係)
館長 佐藤 明男 (以下,佐藤館長)
副館長 瀧澤 朝夫
企画管理部長 和賀 修治 (以下,和賀部長)
資料奉仕部長 久光 洋一 (以下,久光部長)
企画管理部次長(総括担当兼総務班長) 関 照一 (以下,関次長)
資料奉仕部次長(総括担当) 大和田 順子 
企画協力班次長(班長) 高橋 修 
調査班主幹(班長) 内馬場 みち子 
利用サービス班次長(班長) 佐藤 義郎 
総務班主幹 渡邉 雅弘 

4 開会

関次長が開会を宣言し,現在8名の定数のうち,奥山委員及び渡辺委員から所要のため欠席する旨の連絡があり,本日8名中5名の出席により定足数を満たし会議が成立した旨の報告

5 職員紹介

   関次長から事務局出席者(生涯学習課2名,図書館転入職員5名)の紹介

6 傍聴について

   傍聴希望者がないことを確認

7 副会長挨拶

 
 去る3月11日の東日本大震災,あれから早4ヶ月になるわけですが,死者,行方不明者合わせて1万2千人,それから家屋の全半壊12万8千棟という未曾有の災害でありました。国の力,自治体の力,国民の想いというものを全部結集をさせて,一刻も早い,一日でも早い復興を願うばかりであります。この大地震による津波の襲来を受けた図書館があるわけでありますが, そこはもちろんのこと,当宮城県図書館をはじめとする県内各地の図書館が地震によって相当な被害があったわけであります。本日はその状況につきまして,報告があることになっております。他の文化施設もまだ完全復旧にはほど遠い状況でありますので,これもまた早急な復旧を願うところであります。
 委員の皆様には,申し上げるまでもないのですが,私が職務代理者を仰せつかっておりますのは,前回の協議会におきまして,前会長であります澤井さんが協議会会長の辞表を出され,受理されたわけであります。これにつきましては,いろいろ貴重書の移管問題等があったわけですが,その後,移管に反対する方々によって,県議会において請願,そして採択という動きがあったようであります。 本日は,当図書館の貴重書の移管にかかる検討などの経過と,今後の対応についての説明が予定されております。貴重な文化財の保存管理といった観点,あるいは,図書館の歴史を形作ってきた蔵書の利活用といった観点,いろいろな観点からの考え方があると思いますので,皆さんからもいろいろなご意見を伺えればと思っております。
 本日は,その他公文書館が移転することについても経過説明があるほか,報告事項といたしまして,宮城県図書館の平成22年度の事業の実施状況及び平成23年度事業計画のご説明をいただくことになっております。皆様からの活発なご発言をお願いいたしまして開会の挨拶といたします。

8 館長挨拶

 委員の皆様には何かとご多用のところ,ご出席をいただきまして誠にありがとうございます。開会にあたりまして,私から2点,お話を申し上げます。
 1点目は,東日本大震災による地震の関係でございます。詳細につきましては,後ほどの報告事項に譲り,私からは要点のみを申し上げます。まず,3月11日の本震は開館中でありましたが,幸いなことに利用者の方々や職員には怪我などの人的被害は一切ありませんでした。しかしながら,書架の本は8割方落下し,4月22日まで休館とすることを余儀なくされております。 さらに,4月7日の深夜の余震では,書架に戻した本が再び落下し,5月12日まで休館を延期することを余儀なくされました。その後は小さな余震はありますものの,落下もなく今日に至っております。
 2点目は,当館が管理しております文化財資料等の東北歴史博物館への移管についてであります。これにつきましては,2月18日に開催されました前回の協議会でご報告を申し上げたところですが,この取り扱いを巡って澤井会長が抗議して辞任され,会長と渡辺委員が途中で退席されたことは極めて残念な出来事でした。本日は,この決定に関する再度の説明を行うため, 教育庁から西村生涯学習課長さんが参っております。詳細につきましては,課長さんにお願いをすることとし,私からは当館側からみたこれまでの主要な経緯に絞ってお話を申し上げます。県教委で移管を決定する前後にあたる昨年の10月から11月にかけてのことですが,当館の前館長でその後顧問となっております伊達さんが,県教委事務局の説明に納得しなかったということがありました。 その後,2月25日付の河北新報で「移管は疑問」とする記事が掲載され,2月28日には元図書館職員の方々が中心となり,知事と教育委員長あてに移管中止を求める陳情を行い,県議会議長あてには同趣旨の請願が出されたものです。しかし,奇妙なことにこれらの書簡におきましては,保存管理の問題は一切取り上げられてはおりません。伊達さん,元職員の方々は, 長く当館に勤務されてこられた方々ばかりですから,この問題は当然知っていたはずであります。現に,伊達さんが出していた平成19年7月のホームページでは,「館長に就任した平成14年度に,司書から貴重資料がどんどん傷んでゆく状況について説明を受けた」と,記されているのであります。ところが,平成21年3月に私が伊達さんから事務引継ぎを受けたとき,県図書館には何も問題がないという説明を受けたのですが, 全く問題のない職場というのは初めてのことだったので大変驚きました。また,「宮城県図書館蔵書のあり方を考える会」が出した6月5日付の「緊急アピール」の中では,「保管と管理体制に問題はない」と言い切っております。何をもってそう言い切れるのか,疑問というほかありません。あろうことか,この4月以降は移管問題に絡めて,私に対する個人攻撃を行ってまで移管の不適切を「アピール」する姿勢というのは, 到底理解できるものではありません。しかしながら,本当に悔しい思いをしているのは,元職員でも私でもなく,この図書館で保管されてきた膨大な和古書を含む文化財資料等の方でありましょう。この悪い環境にある保存管理のもとから,1日も早く助け出すことが重要で,保存第一の観点に改めることが何よりも大切です。いうなれば,保存なくして文化財なく,保存なくして文化継承もなく,保存なくして研究もなし,であります。 いかに優れた文化財があって,研究が大事,文化継承が大事といったところで,経験科学に基づいた合理的かつ適切な保存管理が必要なことは自明の理であり,それなくしては絵に描いた餅になる恐れがあります。衝撃的な保存管理の不適切な実態につきましては,6月30日付河北新報にあります私の談話と,後ほどの経過報告に譲ることといたします。
 なお,前回の協議会におきまして「県図書館にスポンサー制度を導入するための成案を次回の協議会に提出したい」と申し上げましたが,震災対応や文化財等の移管問題で成案の検討が遅れておりますことをお詫び申し上げ,私の挨拶を終わります。

9 配布資料の確認(関次長)

① 東日本大震災に伴う被災・復旧状況等について・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下,資料1)
② 平成23年度宮城県図書館要覧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下,資料2)
③ 文化財資料等の移管について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下,資料3)
④ 宮城県図書館所蔵の貴重資料に係る管理保存の問題について・・・・(以下,資料4)
⑤ 河北新報記事(6月30日付け)「資料移管 是か非か」・・・・・・・・・・・・(以下,資料5)
⑥ 「ことばのうみ」第36号・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下,資料6)

 

10 議長選出

   会長職務代理者である鵜飼副会長(以下,議長)を選出。

11 会議録署名委員の指名

   議長が齋藤委員を指名。

12 議事

○ 議長
 はじめに,報告事項として「東日本大震災に伴う被災・復旧状況等について」事務局から説明願います。
○ 和賀部長
 資料1に基づき説明。
○ 議長
 ただいまの説明について,ご質問・ご意見等がございましたらお願いします。
 (特になし)
 特にないようですので,続きまして,次の報告事項に入らせていただきます。「平成22年度事業実施状況及び平成23年度事業計画について」事務局から説明願います。
○ 和賀部長
 資料2に基づき説明 
○ 議長
 ただいまの説明について,ご質問・ご意見等がございましたらお願いします。 
○ 齋藤委員
 お尋ねいたします。私は学校に勤務しておりますので確認したいのですが,24ページに総合的な学習への支援についての記載があります。職場体験学習の受け入れとあり, 中学校が6件,高等学校が4件で,延べ36人の受け入れとなっています。これでは少ないと思うのですが,これはこのぐらいまでしか受け入れられないということなのでしょうか。 それとも,県図書館への職場体験の希望が少ないということなのでしょうか。
○ 久光部長
 職場体験についてお答えします。中学校,高等学校での行事が10月から11月に集中していることもあって,当館としては1日3名程度の受け入れとし, 重複した場合には先着順とさせていただいております。今年度も既に10月から11月までは毎週予定が入っている状態で,問い合わせをいただいた際には, なるべくその時期をはずしていただくようお願いをしているところです。例えば,名取高校は夏休み中に変更をお願いして実施することとしています。 
○ 議長
 その他に何かございますか。なければ,続きまして平成23年度の事業計画について,事務局から説明願います。 
○ 和賀部長
 資料2に基づき説明
○ 議長
 これに関して何かご質問,ご意見等ございましたらお願いします。
 (特になし)
 ご質問等がないようですので,次に進みます。続きまして,議題のその他に移ります。まず,「文化財資料等の移管について」事務局から説明願います。
○ 西村課長
 生涯学習課長の西村と申します。7月1日付で今回異動して参りました。6月30日までは県からの派遣で松島町役場に勤務しておりました。この文化財資料等の移管に関しましては,7月以降,私なりに考えをまとめてみました。
 以下,資料3に基づき説明。
 ※ 同資料中,「2 東北歴史博物館への移管決定理由等」に,次の内容を追加して説明
 博物館では県民が所蔵資料の閲覧に訪れてきた場合,図書情報室等において閲覧をしていただいております。従いまして,文化財資料等の移管後も図書館での閲覧と同様に対応できるものと考えまして,今回の移管に関して,サービスの低下を招くものではなく, 専門の学芸員の調査,研究成果に基づき,一様の価値を正確に伝えることができるなど,むしろ,県民のサービス向上につながるのではないかと考えたところであります。
 去る2月の図書館協議会において,この移管については,図書館からご説明をいたしましたが,これまでも移管について,特に諮問という形でお願いした経緯がなかったことから,事前に伺うという機会は設けず,報告という形でお示ししたものであります。
 ※ 同資料中,「4 今後の対応」に,次の内容を追加して説明
 新たに設置する検討会議の構成員につきましては,現在のところ6名程度で考えております。当協議会からの代表として1名の方に加わっていただくとか,人選については今後詰めていくこととしておりますが,概ねこのような形で広くいろいろな方々のご意見をいただきたいと考えております。 この検討会議の設置にかかる経費については,県議会9月補正予算に提示し議決いただければ,10月頃から開催できるものと考えております。なお,これらの点について,先般行われました教育委員会において,考え方をご報告をしているところであります。
○ 議長
 これに関しましては,もう2,3関連資料がございますが,事務局から説明願います。
○ 佐藤館長
 資料4に基づき説明
○ 議長
 これに関しまして,何かご意見・ご質問等ございましたらお願いします。
○ 齋藤委員
 資料を見せていただいて,博物館及び図書館の状況がよくわかりました。ここに至るまで県図書館で貴重な文化財が保管されてきたということは,既にかなり悪い,残念な状況となっていて,移管せざるを得ないということなのでしょうか。
○ 佐藤館長
 私が先ほど挨拶の中で申し上げましたが,前館長さんが平成14年に着任された時に,次のように自身のホームページに書き込んでおります。「司書から貴重資料がどんどん傷んでいるという状況について説明を受けた。そして,私はまず文化財の指定から始めた。」と。 その後,学芸員の方々に見ていただいたところ,相当傷んできているという状況がわかり,状態の修復を始めたわけです。しかしながら,根っこのところの管理保存の状況が同じですから,悪化させながら修復しているというおかしなことになってしまっています。 ですから,もっと早い時期に博物館にもって行くべきではなかったかなと思います。博物館ができて間もなくのあたりに,このような問題を取り上げていただければ,傷みももう少し少なくて済んだのになと思うのであります。
 それでは,今とその時とでどのくらい傷みの状況が違うのかというと,その実証はできませんが,確実に悪くなったということは間違いありません。例えば,冬の日中には人為的に温度を23度に上げたかと思うと,夕方にはスイッチを切ってしまうわけですから,ずっと 温度が下がってしまう。 夏には逆に温度が23度で涼しかったのが,夕方には上がってしまう。それで,人為的に温度差の幅を大きくしてしまったわけです。また,空気の出入りについては,上から出てくる空調以外は何もないわけですから,別の言葉でいうと「ムケ」てしまう。それは相当なことでしたので, もっと早い時期に傷んでいるという状況がわかれば,すぐに取り組んで欲しかったなと思うのであります。今回,教育委員会でこうやって取り上げていただいたことについては,先ほど課長さんから3つの理由を申し上げられましたけれども,私どもの立場としては,何といってもその②番なんです。 非常に残念なことですけれども,保存管理の問題が図書館では不十分だということを出さざるを得ないのです。
○ 議長
 その他ございませんか。
○ 横田委員
 私も文化財に携わった経験があり,文化財といえば保管の関係が一番重要だと思っていたのですが,実際に現場に行ってみると貴重な文化財も野ざらし状態のものがあるなど,予算の関係や費用面の関係で,だいぶ保管状態の悪いものがたくさんあります。そういった現状の中で,今回県の図書の移行で,「断腸の思い」とありますが, そこまで踏み込んで保管をしなくてはならないということで,これまでのやり方に反対の意を唱えたということは評価に値することだと思うのです。
 ただ,文化財として保管する関係になりますと,どうしても展示して一般の皆さんに広く公開する,わかってもらうというということが,かなり不足しているのではないかと感じています。ですから,歴史資料館に行くと保管の方は全く大丈夫なのですが,一般の方々にこういうものがあるんだということで展示公開の方はもどかしいといいますか, 情報発信の仕方が不足してくるのではないかという思いを非常に強くいたします。
 ですから,新聞に掲載された記事を見ますと,館長さんと図書館蔵書のあり方を考える会代表の方(以下,考える会代表の方)の対談形式で話が載っていますが,どちらかといえば,何となく県の説明が弱い感じを受けて,なかなか評価されないのではないかと思います。 ここにあるような管理面での温湿度の対比など,細かな説明を加えて,皆さんに話してもらうと理解されてくると思います。
 私たちも専門家ではないものですから,先ほど課長さんが説明されたように有識者による検討組織でもって,さらに話を揉んで,より良い方向に向けて考え方を整理していただくということは良いことではないかと思います。その際,私たちもだいぶ利用させてもらいましたが,レプリカを作成して広く公開するという方向性も, ぜひこれまでどおりやってきいただきたいと思いますし,県において議会で予算を認めて,請願が出たためにそれを取り消すというのもどうかと思うのですが,それはそれとして,もう少し理解を得る方向を模索してもらってもいいかなと思います。
 また,新聞記事には協議会のあり方について述べておられ,この場で考えなければならないこともあると思いますが,そのあたり,今後はもう少し連絡を取り合い,うまくいくようよろしくお願いしたいと思います。
○ 議長
 その他ございませんか。
○ 齋藤委員
 私もこの6月30日の新聞記事を読みまして,どちらかというと図書館の方は文化財の管理・保存,そちらの方にに主眼がおかれていて,考える会代表の方はどちらかというと利用する側にとってどうなのかといったような話だなと思います。県の図書館にある移管しようとしているものについては,県民にとって貴重な財産ということで,一般的な利用者の立場からすると, 図書館にあった方がより多く利用しやすいのかなと思います。東北歴史博物館に移管してしまったら,文化財として管理しなければならないものが多くなってしまって,利用しにくくなるのかなと一般的な印象として感じたところです。
 それで,ちょっとお聞きしたいのですが,先ほど課長さんのお話の中で,今後の対応として,請願を受けて検討会議を開くということは,移管をあくまでも前提として,今後,より広く県民の方々に知っていただく,より利活用しやすい方法を探っていくというスタンスなのでしょうか,それとも,移管を含め全く白紙の状態に戻してということなのでしょうか。
○ 西村課長
 いったん白紙に戻し,リセットしてと考えております。予算は議決いたしましたが,その予算は使わずに1年間かけて,10月ぐらいから1年ぐらいかけて検討していきたいと考えております。さまざまな方々のご意見をいただきながら,県民のサービス向上のために,これをどこに置いてどのように活用すべきか話し合っていきたいと考えております。
○ 佐藤館長
 勘違いというか,別に捉えられてしまっているので改めてお話しします。図書館の方は管理だけを考えてしまって,考える会代表の方は利用だけを考えてしまってということですが,そうではないのです。利用するためには管理がしっかりしていなければなりません。元のものが無くなってしまったら元も子もない。それがあっての利用なのです。ところが,今の図書館がずっとやってきたことというのは,決して適切な管理ではないのです。 ですから,早く傷んでしまいます。そうすると後世に伝えられません。特に坤與万国全図は,1602年に印刷され,これまで400年以上にわたり保存され,その歴史を伝えてきていますが,今の県図書館の保管方法であれば,今後はそれほど長くもたないでしょう。 それが心配なのです。そうしないために,つまり,利用を継続して後世何百年後の人たちもこれを使うということを考えていかなければなりません。これは我々のためのものではありません。そのためには,やはり適切な管理というのは根っこであります。そして,その次の利用というのも大事ですから,適切な管理をしたうえで利用するということについては, いかに博物館に移しても,図書館並の利用,やはりここと同じようなレベルでやっていただきたいなということであります。
 ただし,学者先生たちが心配しているのは,違う意味にあります。つまり,学芸員が研究してしまえば,自分たちの出番がなくなる。学者としては研究する場面が狭められてしまう。だから,博物館に移すと敷居が高くなる。これではだめだという別の考え方があるのです。ここに来て,原本を調べていくというのは,ほとんど学者か学生であり研究のためです。 今ですと年間約200人が県内,全国から来られます。普通の人は江戸時代のものを見てもわかりません。何が書いてあるかわからないから研究なのです。だから,そこが学芸員によって研究されてしまえば,自分たちの研究場面が狭められてしまうということを心配しているのです。研究は誰でも自由にできるわけで,どこから来たから拒否するということはありません。 研究の目的をきちんと示していただければ,博物館がそれを嫌がるということはないと思います。これは大事なことで,仮に移管したとしても,そのようなことがないようにしていただくということは,私どもとしても希望して参ります。ですから,私と考える会代表の方の主張は対立するものではありません。どちらにしても,しっかり保存しておかないと 利用できないのです。無くなってしまえば終わりなんです。 これから何百年にわたって,歴史として守っていかなければなりませんので,やはり,一番良い条件で保管して,利用は今までの図書館並みにしていただきたいと考えております。
○ 議長
 他にございませんか。もし,なければ私から2,3点お伺いしたいことがあります。
 確かに坤與万国全図については,平成14年当時の記録を見てみると,だいぶ傷んでいると協議会で話があったようであります。基本的なところで,この管理保存の問題について,例えば,湿度管理に関して,一般的には55%から65%が適正とされているが,実際には,開館当時,50%に設定して試運転したところ,断熱構造が不十分なため,結露が生じるとか,温度管理に関して, 当館の場合,空調するしないもあるのでしょうが,一年の大半が適正な温度変化の範囲を超えているということです。これらのことは,開館当時の設計の条件としてはどのようなものだったのであろう,24時間空調の運転を前提とした設計条件だったのだろうか。ふと,疑問に思いました。そこがどうなんだろうかというのが1つです。
 それから,貴重資料の場合は大部分が和紙であります。和紙であれば,和紙に墨で書いたものは結構丈夫というか,温度変化とか湿度変化に耐えうるものであります。11万点を超える資料の中に,いわゆる和紙であるが故に傷みが激しいというものは,どのくらいあるのだろうか。この2点について,伺いたいのですが。
○ 佐藤館長
 まず,設計の段階でどうだったのかという点については,今となっては,十数年前の話なので,どのような協議をしてこのようになったのかという詳細な書類というのは見当たりません。ただ1つ,当時,文化庁及び文化財研究所というところと協議をしており,そのワンペーパーが残っておりました。それを見ますと,かなり適切に向こうから指摘を受けているにもかかわらず, 全ての対応がきちんとなされていない。なぜそのようになったのか,それ以上のことは把握できません。ですから,そもそもそこに問題があったなということは把握できました。
○ 議長
 いわゆる設計そのものが,注意指摘どおりになっていなかったということですか。
○ 佐藤館長
 はい。「ここがよくないから,こう直しなさい。」という指摘がされていました。それに対する対応が全部きちんとなされないで,一部対応されたものもありますが,多くはそのままになってしまった。それが,なぜそうなったのかということまではわかりませんでした。文化庁の美術工芸課の課長さんと3回にわたって協議をしている。それから,東京国立文化財研究所の主任研究員の方と1回協議をしています。 採用したものもありますが,対応が不十分で,つまりその部分が先ほどの結露問題になっているのです。未対応がなぜそのままになっているのかということはわかりません。対応していたのが,建築技術屋さんで営繕課の技師がやっていました。そこの関係が,私どもでは掴みきれない。いずれ,対応が不十分であったことには間違ありません。
○ 議長
 和紙だと,どちらかというと,虫食い対策みたいなものの方が大事な気がしますが。
○ 佐藤館長
 学芸員の方たちの管理方法というのは,より適正で長持ちするような方法でやっています。このくらいで良いのではという方法でないのです。そこのところの考え方がそもそも違っています。例えば,今の図書館の管理方法で悪いのかというと,空調によって人為的に温湿度が上がったり下がったりと温湿の上下が激しくなって,かえって悪い状態になっています。むしろ,通気さえ良いのであれば,榴ヶ岡時代のように,自然任せの光も入らない蔵のようなところに入れておいた方が, そして時々出してきて虫干ししたり,燻蒸していれば,その方がかえって良かったのではなかったかと思うこともあります。
 今の状態,それを早く直さなければならないということは,私が着任して1年目にいろいろ聞いているうちに飲み込めてきました。24時間設定で人間がいても気持ち良くなるような状態,つまり,博物館の方があのような貴重資料にとっては,長く保存できるより適切な状況ということができると思います。
 和紙に限らず貴重資料庫の中にはいろいろなものがあり,かなりの点数になっています。これは,例えば,紙芝居の類については,5,000種類くらいありますが,枚数にすると50,000枚くらいになり,それを1点として数えているために数が多くなっているということで,違ったものがたくさんあるわけではないのです。
○ 議長
 今,この図書館がもっともっと望ましい状況を作ろうとすると,24時間運転をせざるを得ないということではないですか。
○ 佐藤館長
 そのとおりです。それで,今非常に困ってきているのが,明治の小説とか,太平洋戦争前後の紙質の悪いもの,これら劣化の激しいものです。ですから,移転した後はその部屋を使って改装し,それらのものを入れていきたい。早く何とかここで解決してあげなくてはいけない。まさに玉突き状態になっており,次は確実に大正時代とか古いものが出てくる。 そういう状況ですから,前のものをずっとここに置いておけば,将来的な解決策が何もなくなってしまう。その流れを作らなければならないということです。ですから,検討会議を1年間かけてやる場合についても,この観点をぜひ落とさないようにして,適切にしていただきたいと私どもは願っております。
○ 議長
 他に何かございませんでしょうか。よろしいですか。もし,なければ次の事項に移りたいと思います。
○ 和賀部長
 前回の協議会において,現在榴ヶ岡にある公文書館が,当館2階の地域情報発信室の閲覧室に事務室を設置し,1階の倉庫を改修工事をするということで,24年度当初の開館を目指していく旨ご報告申し上げましたが,今回の震災の影響がありまして,移転に伴う工事,設計関係そのものが相当遅れており,24年4月当初の開館は,今のところ先送りされている状況であります。 いつになるかということは,現在調整中とのことで,詳しい情報は入っておりません。今後情報が入り次第ご報告いたします。
○ 議長
 公文書館のこの図書館への移転については,震災の関係で延期,当初予定より先になるということであります。この関係で,何かご質問等ございませんでしょうか。
○ 議長
 それでは,これで全ての議題が終了いたしました。これをもって,私の議長としての任務は終わらせていただきたいと思います。円滑な議事進行にご協力いただきありがとうございました。

13 閉会

関次長が閉会を宣言し,一切を終了した。

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